『えっ!?私の常識はもう古い?』 住宅ローンの新常識

家を建てるために住宅ローンを組むとき、「ローンは短く」「頭金は多く」「繰上げ返済をしよう」という情報を聞いたことがあるのではないでしょうか。

もちろん、住宅ローンを短く組んだ方が、トータルの返済額は減り、繰上げ返済や頭金によって支払う利息を軽減することができます。

しかし、その効果はそこまで大きなものではなく、実はもっと有効的な住宅ローンの組み方があるのはご存じでしょうか。今回は、住宅ローンの新常識について解説していきます。

これまでの常識は間違い?

冒頭でお伝えした通り、バブル期のような金利が高い時代では、「ローンは短く」「頭金は多く」「積極的に繰上げ返済を行う」が、住宅ローンの組み方の一つの正解でした。

ただ、日本のバブル期はもう20年以上も前の話です。20年以上前の常識が今も常識として残っていることに違和感がありますよね。

しかし、残念なことに住宅ローンに関しては、昔の常識を引っ張ってしまっているという現状があります。

現在は、マイナス金利と言われているように金利がとても低い時代です。「銀行にお金を預けても増えない」と困っている人もいるかもしれません。しかし、預ける側だけではなく借りる側の金利も低いので、今から家を建ててローンを組んだり、ローンを組んでいる人が借り換えする場合に、比較的低い金利でお金を借りることができるんです。

金利が変われば、お金の常識も変わってきます。その時代に合わせてよりベストな選択をしていきましょう。

住宅ローンの新常識

近年の住宅ローンの金利情勢から考えると、「ローンは長く」「頭金を入れず」「繰上げ返済をしない」が一つの正解になります。

例えば、35年ローンで月々10万円を払っていたとします。「やっぱり借りる期間を短くしなきゃ!」と思って25年に組み替えました。期間が短くなったため、支払う額は月々13万円ほどなったとします。この条件で返済を終えられると、最終的な総返済額安くなります。ですが、毎月13万円を絶対に払わなければなりません。ここで考慮しなければならないのは、25年間何事もなく、13万円の支払いを続けられるのか?ということです。

さらに、頭金を入れたり、繰上返済をできるほど資金的に余裕があるのであれば、その資金を有事の際の予備資金として置いておいたり、資産運用に回したりすることも可能です。

先程の例で、先々のトラブルや資産運用を考慮すると、ローンの期間を短くせずに、月々の支払い一定の10万円にしておいて、毎月3万円の浮いたお金を緊急資金や運用資産として積み立ていくことをおすすめします。

積立投資はいつでも止めることができますし、何かあったときには運用しているお金を切り崩して使うこともできます。目先の利息軽減に釣られてローンの支払いを優先するのではなく、家計に余力を持つことが大切です。

家計を総合的に考えていますか?

家計は、住宅ローン、生活費、学費、保険、老後の貯蓄、交際費などたくさんの要素で構成されています。病気になったりリストラにあったりして、それまでと同じように家計が回らなくなったとき、住宅ローンは対策の難しい支出として家計に大きくのしかかってきます。
何かあってからでは遅く、できるだけ長く住宅ローンを組んで毎月の支払いを抑え、少しでも余力を残しておくことでこのリスクは軽減することが可能です。

住宅ローンも借り換えもFPに相談!

現状のようなマイナス金利は、景気を良くするための政策として行われています。いつまでも続くわけではなく、景気が回復してくるとマイナス金利は終わるでしょう。

マイナス金利が終わり、金利が上がっていけば「ローンは長く」「頭金を入れず」「繰上げ返済をしない」は、常識ではなくなっていくかもしれません。

ただ、少なくとも今はマイナス金利が継続しており、今回お話しした新常識が通用する時代ではありますので、住宅ローンを借りたい方や借換をしたい方は、お早めにファイナンシャルプランナーに相談してみてください。